炎症が原因で卵の成長が悪く、着床にも影響する疾患は、子宮内膜症、子宮腺筋症、チョコレート嚢腫が一般的です。
これら難治性疾患、原因は食生活の偏りと血行不良です。
月経を重ねるごとに痛みが増強したり、慢性的な骨盤痛、性交痛、排便痛がみられる方は基礎体温にも特徴がみられます。
図1.生理が始まり一度は体温が下がるが、また上がるケース
図2.生理が始まっているのに体温が下がり続けるケース
卵巣の状態、子宮の状態はあまりよくありません。
採卵しても受精しにくかったり、着床しなくて残念なことがありませんでしたか?
お腹で火事が起きているようなものです。
上手くいかないのは火事=炎症です。
さらに、炎症を抱えていると、炎症を抑えようとして消火活動しようとはたらくために「湿(しつ)」がたまりやすくなります。
「湿(しつ)」とは東洋医学で本来不要である余計な水分のことを意味します。
湿が過剰になってくると、むくみ、だるさ、冷え、そして舌は苔が厚くなってきます。
鏡を見て、べったり付いていたら要注意。
冷たい飲み物や生野菜は、さらに湿を呼ぶことにつながり悪循環。
基本は常温の飲み物と温野菜を心掛けましょう。
苔が黄色い、オリモノが黄色いということは更に熱が影響していると考えます。
湿+熱=湿熱を生じます。
この湿熱が後々、妊娠のプロセスにおいて邪魔をしてくる。
だから、不妊治療しながらケアする必要もあります。
消炎・利水・活血の三本柱が必要
炎症を抑えるには消炎作用
湿をとるには利水作用
血行の悪さには活血作用
それぞれ効能がある漢方処方を使います。
消炎・利水作用には霊芝(れいし)を使い、活血には丹参や田七人参製剤を組み合わせるとよく効きます。
もちろん、体質的に痩せ形なら血虚(けっきょ)、30歳を過ぎていれば腎虚(じんきょ)もありますので血虚に対して補血薬、腎虚・腎精不足には補益薬がそれぞれ必要になってきます。
基礎体温は体調を映す鏡
基礎体温が整わないうちに治療をステップアップしたり、無理して胚移植する方も多いです。
しかし、荒れた畑に種をまいても育たぬよう、ほとんど良い報告はありません。
何度も流産された方や年齢がネックの方、難治性疾患を抱えての妊活中の方も昔から子宝に良い漢方薬を是非お試しください。
【この記事を書いた人】
創業明治34年 漢方薬の西山薬局
代表取締役社長 西條信義(梅安先生)
不妊カウンセラー、国際中医専門員、鍼灸師
漢方薬と鍼灸の二刀流でケアしております
趣味はバイクツーリング、焚き火、珈琲