肌トラブルの相談が多い西山薬局ですが「漢方薬の塗り薬ってあるんですか?」
というご質問をいただきましたのでお答えしますね。
漢方の軟膏には、良く使われるものが2つあります。
まず1つめは『紫雲膏(しうんこう)』
名前の通り紫色の軟膏です。
当帰(とうき)・紫根(しこん)・胡麻油・蜜蝋・豚脂(ラード)からできています。
皮膚の血行を良くして、皮膚の再生を促すので乾燥した肌に良く使われます。
しかし、赤みが強くジュクジュクしていたり、化膿している場合にはおすすめしません。
使うとかえって火照ってかゆみがひどくなってしまうことが多いから。
皮膚の赤みがなくカサカサしている場合や、黒く色素沈着がある場合にはよく使います。
また、アトピー性皮膚炎だけでなく、ひび割れ・あかぎれ・しもやけ・魚の目・浅い切り傷・やけど・痔などにもよく使われます。
ちなみに、ダンナは長距離ツーリングで長時間バイクに座った状態が続くとお尻の具合が悪くなります。
なので、バイクツーリングの前にはこっそり塗っているようです(ナイショですよ)。
のびのよい軟膏なので、少量を患部に優しくすり込むようにのばして使います。
(でも、ゴシゴシとこすってはいけませんよ)
たっぷり塗ると、患部に熱がこもってしまうので、薄くのばして使うのがポイントになります。
また、衣類に付くと紫色がうつってしまうしまうので、ティッシュなどで軽く押さえて残ったものはとると良いようです。
2つめは『タイツコウ軟膏』です。
当帰・芍薬・白芷・桂皮・玄参・大黄・地黄などの生薬がたくさん配合されたカレーのような色&においの軟膏です。
紫雲膏よりも多くの種類の生薬が入っていて、かゆみを止めたり、痛みや炎症をおさえたりします。
じゅくじゅくした湿疹 やかき壊して傷がある時などによく使います。
また、やけどや床ずれ、靴ずれ、痔、擦り傷などの皮膚のトラブルにも使うことができます。
タイツ膏は、塗り方にポイントがあります。
かたい軟膏なのでぬりにくいのですが、擦り込んではいけません。
擦りまずに、軽くのばすように してのばします。
または、ガーゼなどに少し厚めにのばして塗って患部にあてて使うとより効果があります。
私自身、アトピー性皮膚炎の湿疹がひどい時に長くお世話になった軟膏です。
漢方薬の軟膏は、色やにおいの問題で使いにくいものが多いです。
でも、どうしてもステロイド剤は使いたくないと言う場合にはおすすめすることもあります。
漢方薬の軟膏と言っても、使い方を一歩間違えれば、かえって炎症をおこしたり、化膿を引き起こしてしまう場合もありますので、ご使用前には必ず専門家にご相談くださいね。
西山薬局では、漢方薬だけでなくスキンケア用品や漢方の軟膏もございます。
肌トラブルでお悩みの方は是非ご相談ください。
【この記事を書いた人】
創業明治34年 漢方薬の西山薬局
四代目 薬剤師 西條ゆみこ
漢方薬局に生まれ幼少期から生薬に囲まれて過ごす
大学生と中学生2児の母親
更年期障害真っ只中で漢方処方を日々研究中