お正月といえば「おせち料理」。
おせち料理に欠かせない一品といえば「栗きんとん」があります。
この栗きんとん他、黄色の色付けに使われるスパイスが「山梔子(サンシシ・クチナシ)」で、漢方処方を構成する生薬のひとつです。
山梔子(サンシシ)
日本~台湾~中国に広く分布するアカネ科の常緑低木、コリンクチナシの果実
果実が秋を過ぎても口を開けないから「口無(クチナシ)」ともいいます。
性味:苦、寒
帰経:心・肝・肺・胃
効能:清熱燥湿、清熱解毒、除煩、退黄
飛鳥時代から黄色染料として利用、無毒なので「栗きんとん」や「たくあん」の色づけにも昔から使われております。
今でも、年末に山梔子(サンシシ)を買いに来るご婦人は多いです。
感染症や炎症、黄疸、出血の漢方によく配合されております。
外用薬として、打撲や捻挫に生山梔子の粉末、痔の炎症にも古くは利用してきました。
のぼせ・イライラ・二日酔いなどの黄連解毒湯、慢性湿疹や婦人病の温清飲、蓄膿や慢性鼻淵に辛夷清肺湯 、膀胱炎などには五淋散、PMSや更年期障害の加味逍遥散、不正出血や不眠には加味帰脾湯 など守備範囲は広いですよ。
【この記事を書いた人】
創業明治34年 漢方薬の西山薬局
四代目 薬剤師 西條ゆみこ
漢方薬局に生まれ幼少期から生薬に囲まれて過ごす
大学生と中学生2児の母親
更年期障害真っ只中で漢方処方を日々研究中