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Vol.053 帯状疱疹と漢方ケア

ここ最近、ご相談が増えている病気があります。

「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」です。

日本人の8~9人に一人が罹ると言われています。 

 

帯状疱疹とは?

「帯状疱疹」という皮膚の病気をご存知ですか?

帯状疱疹は、ウイルスによっておこる病気です。その原因となるウイルスは、水ぼうそうと同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。

 

このウイルスに初めて感染した時は水ぼうそうになりますが、その際にウイルスが神経節に入り込み、水ぼうそうが治った後もそのまま長い間潜伏し続けます。その後、さまざまな誘因によって潜伏していたウイルスが再び活性化してくる場合があります。

 

再活性化したウイルスは、知覚神経を通って表皮細胞にたどり着きそこで増殖して水泡をつくります。そのため、神経に沿って帯状に症状が現れるのです。これが「帯状疱疹」です。

 

 

どんな時にウイルスが再活性するの?

 

潜伏していたウイルスが再活性するのは、体力が低下した時です。

過労、大きなストレス、病気、外傷、手術、加齢、免疫抑制剤の使用などがあげられますが、なかでも最も多いのは、過労が原因となるケースです。

 

また、アレルギー疾患、がん、糖尿病、膠原病、エイズなどの病気がある人は帯状疱疹を発症しやすいことが分かっています。

 

帯状疱疹の患者さんは、年々増加していると言われています。

以前は、50歳以上の高齢者に多い病気でしたが、最近では20~30歳代の若い年代にも増加しているようです。20~30歳代に多いのは、過労やアレルギー疾患が誘因になっているためと考えられます。

 

一方、50歳代に多いのは、がんや糖尿病などの病気が多くなるうえに、手術や放射線治療を受ける機会が増えるためと考えられています。 

 

 

帯状疱疹の症状

 

症状は、皮膚にチクチクまたはピリピリとした痛みから始まることが多いようですが、痛みの種類は人によってさまざまです。

痛みの程度も、軽度の方もいれば、夜も眠れないほど痛む方もいらっしゃいます。

 

痛みは、一般的には神経に沿った、体の片側から始まります。また、糖尿病の方や、膠原病や喘息などでステロイド剤を服用している方は、痛みをあまり感じないことが多いようです。 

 

痛みが数日~1週間ほど続いた後、今度は皮膚症状が現れてきます。神経に沿って感じた場所にブツブツとした赤い発疹が現れ、まもなく小さな水疱となって帯状に広がります。時には、皮膚症状は見られず「痛いだけ」というかたもいます。

 

軽い場合は、虫刺されくらいの小さな水疱がポツポツと出来ますが、重症の場合には、水疱が帯状に連なります。水疱の真ん中にはくぼみがあり、次第に膿を含んだ膿疱に変化します。膿疱は、5~7日ほどで破れて、びらんや潰瘍ができます。

 

皮膚症状が現れてから2週間ほどでかさぶたとなり、通常は3週間でかさぶたが取れて治ります。ほとんどの場合、皮膚症状の消失とともに痛みもなくなります。時には瘢痕が残ることもあります。

 

帯状疱疹の症状が出やすい場所は、水ぼうそうにかかった時に発疹が出た場所で、胸から背中、腹部、顔面に多く見られます。なかでも多いのは胸椎神経のある「わきの下から胸、腹部」や三叉神経の第1枝がある「額からまぶた、鼻」です。水ぼうそうは下肢に出ることが少ないので、帯状疱疹も下肢に出ることはあまりありません。

 

帯状疱疹の多くは、皮膚症状が治ると同時に痛みも消えます。

でも、夜も眠れないほどの痛みを感じたような重症の場合には、皮膚症状が消えた後も痛みだけが残り、長年にわたって痛みが続く場合もあります。

これを「帯状疱疹関連痛」と言います。(少し前までは、帯状疱疹後神経痛と言われていました。)

 

薬局に来店されるには方のほとんどは、この帯状疱疹関連痛に悩まれている方です。若い方の場合は、ウイルスによって破壊された神経の回復は良好ですが、高齢者では回復が困難で、帯状疱疹関連痛が残りやすいといわれています。また、糖尿病の方も帯状疱疹関連痛になりやすい傾向があります。

 

なぜ神経痛が残るのか、はっきりとした原因はわかっていません。

 

帯状疱疹が重症で、痛みが強い場合には、痛みが脳に記憶されて症状が消えた後も痛みが続くのではないかとも考えられています。また、ウイルスによって切断された神経を回復させるために脊髄が異常に興奮するためとも言われています。

 

 

帯状疱疹の治療法

 

帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬や非ステロイド系の消炎鎮痛剤などを用いた薬物治療が基本となります。また、水疱がつぶれて細菌感染した場合には、抗菌剤を使用します。抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑えることで、症状の悪化を防ぎ、皮膚や神経へのダメージを軽くする効果が期待できます。

 

抗ウイルス薬は、皮膚症状が現れてから3日以内(72時間以内)に投与することが大切です。

出来るだけ早いうちに抗ウイルス薬を投与することで重症化を防ぎ、それが帯状疱疹関連痛の予防につながるのです。

 

非ステロイド系の消炎鎮痛剤は、炎症を抑えて痛みを抑えるために用いられます。痛みを我慢すると、痛みに対して敏感になり、少しの刺激に対しても敏感に反応して治りにくい痛みになってしまいます。我慢する必要はないので、どんな痛みなのか、お医者さんに詳しく説明して、痛みの種類と程度に合った薬を処方してもらいましょう。また、痛みがない場合でも炎症を抑えるために投与されることもあります。

 

 

帯状疱疹後関連痛の治療

 

帯状疱疹関連痛は、その原因がはっきりとわかっていないこともあり治療が難しく絶対的な治療法がないのが現状です。アセトアミノフェン、ノイロトロピン、三環系抗うつ剤、オピオイド系薬剤などを組み合わせて処方することで痛みを軽減・改善します。

 

麻酔科にペインクリニックを併設している病院で、神経ブロック(痛みの原因となる神経を麻酔で鎮静する方法)を受けると効果があるケースもあります。でも、これも帯状疱疹発症後6か月以上たつと十分な効果が期待できないとされています。

 

 

帯状疱疹と漢方ケア

 

帯状疱疹は、ウイルスが引き起こす病気です。先に述べたように、ウイルスを抑え込む抗ウイルス薬は、皮膚症状が現れてから3日以内(72時間以内)に投与することが大切です。

出来るだけ早いうちに抗ウイルス薬を投与することで重症化を防ぎ、それが帯状疱疹関連痛の予防につながるのです。病院を受診されていない場合は 薬局にご来店いただいても、まずは受診をおすすめします。

 

薬局に来店されるには方のほとんどは、帯状疱疹関連痛に悩まれている方です。

ウイルスによる炎症のせいで血の流れが悪くなり、酸素や栄養が患部に十分届かず神経や周囲の細胞が「痛み」というサインを出します。その状態が長く続くと瘀血が進み、気も消耗してしまいます。

気が不足すると神経や細胞の回復がますますうまくいかない…という悪循環が起こると漢方では考えます。

 

・膿疱やびらんが残っている場合は、湿(余分な水分や汚れ)をさばく漢方薬

 

・皮膚に炎症や熱感が残っている場合は、炎症を抑える漢方薬

 

・血のめぐりが悪いために神経の回復が上手くできていない場合は、血の巡りを改善する漢方薬

 

・体の気(エネルギー)が不足して回復が遅くなっている場合は、気を補い回復を助ける漢方薬

 

・ストレスが強くかかると痛みが悪化する場合は、気の流れを改善してストレスのコントロールを助ける漢方薬

 

 お客様の症状、体質に合わせてこれらの漢方薬を組み合わせて使います。

 

帯状疱疹は、体の抵抗力が低下した時に起こりやすくなります。あまり無理をせず、栄養と睡眠を十分にとり、規則正しい生活をすることが予防になります。

 

【この記事を書いた人】

創業明治34年 漢方薬の西山薬局

四代目 薬剤師 西條ゆみこ

 

漢方薬局に生まれ幼少期から生薬に囲まれて過ごす

大学生と中学生2児の母親

更年期障害真っ只中で漢方処方を日々研究中

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