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Vol.032 寒さがピークになる前に「冷え対策」始めましょう

「冷え」そのものは病気ではありませんが、季節を問わずみられる症状で、特に冬場は症状が強く現れます。中医学の知恵で身体の中から冷え対策をして元気に秋~冬を乗り越えましょう。

 

冷えは病気ではないけれど・・・

【冷えの程度チェック】

 

・お風呂に入ってもすぐに冷えてしまう

・靴下を履かないと足が冷たい

・水仕事が多いと、手がジンジン痛くなる

・夏は冷房に弱い

・しもやけになることがある

(2つ以上当てはまれば、冷えが心配されます) 

 

手足が冷たい、腰や下半身が重だるく寒い…といった「冷え」は季節を問わず誰でも経験したことはあると思います。

程度は様々ですが、他の人と比べることが出来ず、頭痛や肩こり、生理痛などのつらい症状を伴うこともあります。

 

中医学では、冷えは体を温め栄養を運ぶ「気」と「血」が不足したり、身体を温めるエネルギーである「陽気」の根本となる「腎」の働きが低下した状態だと考えます。

 

また、寒さやストレスから「瘀血(血行不良)」となり、症状として冷えが現れることもあります。この場合、血が身体の隅々まで行き渡らず、手足の先が冷えてしびれる、痛むなどの症状がでやすくなります。

 

冷えには生活習慣も大きく影響しています。朝食を抜く、冷たい物や脂肪の多いもの・お菓子類の摂り過ぎ、夜更かしや睡眠不足、運動不足、過度のダイエット、薄着などは「気」や「血」の不足や消耗を招き、また「陽気」を生み出す「腎」の働きを低下させてしまうので、できるだけ避けるようにしましょう。

 

基本的に、冷えの症状は身体を温める「気」「血」「陽気」が不足している時に起こりやすいので、具体的に何が不足しているかを意識して対策することが大切です。 

 

【タイプ別 冷えの養生法】

 

冷えといっても原因は人それぞれです。まずは、自分の冷えのタイプを知り不足を補いながら身体の中から冷え対策をしていきましょう。 

 

●「血」不足タイプ

女性は要注意です。「血」が全身に行き渡らず、冷えて潤い不足になります。

 

「血」は全身を巡って体を温め、各組織や器官に栄養を与えると同時に潤いも届けます。また、精神を安静にするのも血の働きの1つ。

血が不足すると温かさや栄養などを体の隅々まで行き渡らせることが出来ません。

 

月経や妊娠・出産などで血とかかわりの深い女性の冷えも、血の不足が原因となっていることが少なくありません。血を消耗する夜更かしや、長時間のTVやPCなどでの目の酷使にも気をつけましょう。女性の場合、特に生理中は血を補う食事を心がけましょう。 

 

【主な症状】

手足の冷え、めまい、立ちくらみ、動悸、月経量が少ない、肌・目・髪の乾燥、ファンデーションのノリが悪い、眠りが浅い、便秘など

 

【食養生】

色が黒や赤の食材、甘味のある食材で血を補う

なつめ、クコの実、ぶどう、鶏肉、レバー、豚足、黒砂糖、黒ゴマ、卵、落花生、人参、ほうれん草など 

 

【よく用いられる漢方薬】

婦宝当帰膠、参茸補血丸、帰脾湯など 

 

●「気」が不足するタイプ

疲れやすく食欲がない、身体を温めるエネルギーである気が不足している。

 

中医学では「気」は五臓六腑の機能を保ち、身体を温める作用をもつエネルギーと考えます。

気は基本的に「陽」に属ずるので、気が不足することで五臓六腑の機能が低下するだけでなく、気の不足の症状として「冷え」が現れます。

この段階では冷えは比較的軽い場合が多いのですが、そのままにしておくと強い冷えを訴える「陽気」不足へと進んでしまうので、早めに改善することが大切です。

胃腸虚弱なども気の不足の原因の1つとなるので、食欲が落ちてきたら注意が必要です。

 

【主な症状】

手足の先が冷える、疲れやすく体力がない、息切れ、食欲不振、風邪をひきやすく治りにくい、汗が多い、軟便、下痢をしやすいなど

 

【食養生】

胃腸の働きを高める食材、体力をつける食材で気を補う

米、大豆、豆乳(温かいもの)、かぼちゃ、山芋、キノコ類、うなぎ、豚肉、牛肉、インゲン豆など

 

【よく用いられる漢方薬】

補中益気湯、健脾散エキス顆粒、六君子湯、麦味参顆粒、衛益顆粒など 

 

●「陽気」が不足するタイプ

陽気を生み出す「腎」の機能低下が根底にある。加齢による「腎」の衰えにも注意。

「血」と一緒に体内を巡る「陽気」には、身体を温めて体温を保つ役割があります。

 

陽気が不足すると、手足だけでなく身体全体が冷え、ときには関節や腰の痛みを感じることもあります。

陽気を生み出しているのは、生殖機能や成長、発育、ホルモンの分泌などの働きを担っている「腎」です。

腎の機能が低下したり衰えたりすると、陽気の不足から身体が冷え、腰痛や尿トラブル、むくみなどの症状が現れることもあります。

慢性疾患を抱えている方、更年期、高齢者などは特に気をつけましょう。 

 

【主な症状】

寒がり、手足の冷えが強く氷のように感じる、腰が冷える、腰痛、関節痛、耳鳴り、記憶力の低下、不妊、夜間の頻尿、下痢、むくみ、トイレに行く回数が多いなど

 

【食養生】

辛みのある食材や腎を補い身体を温める食材

シナモン、山椒、唐辛子、八角、ねぎ、ニンニク、ニラ、生姜、エビ、くるみ、鮭、羊肉、黒糖、紅茶など

 

【よく用いられる漢方薬】

参茸補血丸、海馬補腎丸、八味地黄丸など 

 

【養生のポイント】

・バランスの良い食事を1日3食しっかりとる

・アイスクリームやビール、冷たい飲み物や食べ物は控えて、飲み物や食べ物は温かい物を摂るようにする

・入浴はシャワーだけで済まさず、湯船の中で手足を動かして温まる。よもぎ、紅花、当帰などを入れた薬浴も効果的です。半身浴・足湯もおすすめ。

・腰と足を重点的に、下半身を温める。カイロは腰回りに貼りましょう。(陽気の根本は腎、腎のある腰を冷やさないようにしましょう)

・適度な運動で血行を改善し、陽気を全身に行き渡らせましょう。

・きつい靴や下着は血行障害の原因になるので注意しましょう。

・長めの靴下やレッグウォーマーで足首を温め、ストールなどの羽織もので身体から熱を逃さない工夫をしましょう。 

 

また、瘀血(血行不良)の状態になると「血」が身体の隅々まで行き届かず、手足の先が冷えることがあります。瘀血の原因はストレスや生活習慣の乱れ、寒さなどです。肩こりや腰痛、生理痛などを伴うこともあります。

 

体は出来るだけ冷やさないようにして、軽い運動などでストレスを解消したり、生活習慣を見直すなどして血のめぐりを良くする生活を心がけましょう。  

 

「今年の冬は寒くなる」こんな予報も聞きます。

今のうちから、ご自分のタイプに合った「寒さ対策」を始めて、元気に冬を過ごしましょう。 

【この記事を書いた人】

創業明治34年 漢方薬の西山薬局

四代目 薬剤師 西條ゆみこ

 

漢方薬局に生まれ幼少期から生薬に囲まれて過ごす

大学生と中学生2児の母親

更年期障害真っ只中で漢方処方を日々研究中

新潟市の漢方薬専門店


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