・スマホを使用した後に、遠くを見るとぼやける
・夕方になると物が見づらい時がある
・スマホなどの小さな文字が見づらい
・目が乾きやすく、ショボショボする
・目が疲れやすい
こんな症状が出ていませんか?
もし、このような症状がある場合は『スマホ老眼』かも知れません。
スマホ老眼は、スマートフォンの使い過ぎによって生じる老眼と同じようなのことで、20~30代の若い方に急増しています(普通の老眼は40~50歳ごろから始まります)
スマホ老眼と老眼の違い
老眼は加齢によって、目のピントを合わせる毛様体筋が衰えたり水晶体(レンズ)が固くなっておこります。
スマホ老眼は距離で小さなスマホ画面を見ることで、目に負担がかかり目のピントを合わせる毛様体筋が凝り固まっておこります。
漢方でスマホ老眼は何とかなるの?
漢方では、目や毛様体筋の疲れは五臓の「肝」と「腎」の弱りと「血」の不足によるものと考えます。
目の栄養となるのは「肝」に蓄えられた「血」です。
長時間スマホを見ることで「血」がたくさん消耗されます。
「血」が不足すると目に栄養や潤いが行きわたらなくなり目の疲れ、乾燥、ピントが合いづらいなどの症状が現れます。
また「腎」に蓄えられたエネルギー(腎精)は「」肝の「血」と協力して目に「血」を送ります。
ですから「肝」の機能を高めるためには「腎」を丈夫にしてあげることも大切です。
どんな漢方薬が良いの?
漢方薬の処方に『飲む目薬』と呼ばれているものがあります。
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
「肝」と「腎」の働きを同時に高めてくれる漢方薬。
処方のベースとなってるのは六味丸(ろくみがん)です。
そこへ、「肝」と「腎」を補い「血」も増やす働きのある枸杞子(クコの実)と目の充血を抑え、視力を回復させる働きのある菊花を加えた漢方薬です。
この杞菊地黄丸をベースとして、体質・体調にあわせて「血」を補う漢方薬、「気」や「血」のめぐりを改善する漢方薬などを合わせて服用していただくこともあります。
スマホ老眼を改善する方法は?
●スマホの長時間使用を避ける(1時間使ったら10分休む)
●ブルーライトはできるだけカットする
(ブルーライトは可視光線の中で最もエネルギーが大きい光。網膜を傷つける場合もあり、目の疲れの原因にもなります。)
●きちんと睡眠をとる。22時~23時には眠るように!
日中使った「血」は寝ている間に「肝」に戻り、次の日に備えて浄化・回復されます。
夜にしっかりと睡眠をとらないと「血」の回復がしっかりと行えないので栄養たっぷりの「血」が不足してしまいます。
夜はできるだけ早く寝て「血」を蓄えましょう。
●「血」を補う食品をとる
かき、レバー、ほうれん草、プルーン、人参、トマト、鶏肉など
「もしかしてスマホ老眼?」と思ったら
まずは、改善方法を試してみてくださいね。
それでもダメなら、漢方薬を服用するのもいいですよ。
【この記事を書いた人】
創業明治34年 漢方薬の西山薬局
四代目 薬剤師 西條ゆみこ
漢方薬局に生まれ幼少期から生薬に囲まれて過ごす
大学生と中学生2児の母親
更年期障害真っ只中で漢方処方を日々研究中