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Vol.027 なかなか治らない咳には漢方薬

コロナ後遺症の漢方相談が増えておりますが、風邪を引いた後に、なかなか咳が止まらない・治らないという経験ありませんか?

 

咳が慢性化すると、体力を消耗してしまい、身体全体の不調にもつながります。

早めの対応を心がけて、つらい症状を体質から改善していきましょう。 

 

咳とは?

咳は、基本的にはウイルスや花粉などの異物を身体から追い出す大切な防御反応の1つ。

むやみに止めてしまうのはあまり良くないとされています。 

しかし、咳は一度続くとなかなか止まりにくく、悪化すると肺炎や喘息などの重い症状につながることもあります。

 

また、症状の慢性化は睡眠不足や体力の消耗を招き、全身の健康状態に影響することもすくなくありません。そのため、初期の段階できちんと対応して、悪化させないことが大切です。 

 

漢方から考える咳

中医学では、咳の症状を引き起こす初期の原因を大きく2つに分けて考えます。 

 

1つは「冷え」。

体質的な冷え性や、気候、夏場の冷房などによる寒さからおこる咳で、薄い鼻水や痰、悪寒などを伴います。 

 

もう一つは「熱」による咳です。

熱がこもりやすい体質の人、風邪やウイルスの影響で体内に熱が発生した人などに起こる症状。

発熱や発汗、口の乾き、黄色の濃い痰などが特徴です。

 

このほか、過剰な「ストレス」や体にたまった「痰湿(体内の余分な水分や汚れ)」、慢性化による「虚弱」なども症状の悪化や長期化を招く原因になります。

 

咳は繰り返しやすい症状です。

きちんと改善して再発を防ぐためにも、直接的に症状を抑えるだけでなく原因をきちんと見極めて根本から体質を整えるように心がけましょう。

 

タイプ別咳の養生法

 

1.冷えタイプ

主な症状…痰の色が透明~白、悪寒、発熱、頭痛、汗はかかない、顔色が白っぽい

 

気候や冷房による寒さ、体質的な冷え性などで体が冷えた時に起こる咳は、身体が冷えると症状が悪化してしまうことも多いものです。

 

かぜの初期に起こる咳もこのタイプ。

初期の段階で早めに改善できるよう、まず身体をしっかりと温めて冷えを追い払い「肺」の機能を高めるよう心がけましょう。

 

このタイプは、体内の冷えを発散する食材をとりましょう。

ネギ、しょうが、シナモン、しそなどがおすすめです。

 

漢方薬は「麻黄湯(まおうとう)」「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」などを用います。 

 

2.熱タイプ

主な症状…痰の色が濃く黄色い、口の乾き、発熱、便秘気味、胸痛

かぜやウイルスなどの影響で体に熱が発生すると、「肺」が炎症を起こして咳の症状が現れます。

 

また、体質的に熱がこもりやすい人も要注意です。

養生の基本は、体内にこもった熱を冷ますこと。肺の炎症を鎮めて咳の症状を和らげましょう。 

 

このタイプは、体内の熱をさます食材をとりましょう。

ごぼう、ナシ、大根、葛などがおすすめです。 

 

漢方薬は「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」「五虎湯(ごことう)」「板藍根(ばんらんこん)」「麻杏止咳顆粒(まきょうしがいかりゅう)」などを用います。

 

3.ストレスタイプ

主な症状…胸苦しい、強いストレスを受けると発作が起こる、イライラする、怒りっぽい

強いストレスなどを受けて精神が不安定になると、全身を巡る「気」の流れが悪くなり、咳の症状が悪くなることがあります。 

 

ストレスで症状が強く出る人やイライラしやすい人は、気分を穏やかにして、リラックスを心がけることが大切です。

また、ストレスを上手に発散して、気の流れをスムーズに保ちましょう。 

 

このタイプは、気のながれを良くする食材をとりましょう。

薄荷、しそ、ゆずの皮、かんきつ類、ジャスミン茶などがおすすめです。 

 

漢方薬は「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」「柴朴湯(さいぼくとう)」「神秘湯(しんぴとう)」などを用います。

 

4.痰湿タイプ

主な症状…痰が多い、胸苦しい、悪心、食欲不振、のどがゼーゼーと音がする 

身体にたまった「痰湿(体内の余分な水分や汚れ)」は「肺」にトラブルを引き起こす原因の1つになります。 

 

食事の不摂生などで「脾胃(胃腸)」の機能が低下すると、痰湿が溜まりやすくなりこれが咳の原因となります。 

 

特に太り気味の人や暴飲暴食などで胃腸が弱っている人は、まず身体に溜まった痰湿を取り除き、脾胃の機能を高めるように心がけましょう。

 

このタイプは、余分な水分や汚れを取り除き、気の流れを助ける食材をとりましょう。

銀杏、クラゲ、海苔、杏仁、山査子、根菜類などがおすすめです。 

 

漢方薬は「イスクラ温胆湯(うんたんとう)」「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」「二陳湯(にちんとう)」などを用います。 

 

5.虚弱タイプ

主な症状…慢性化した咳、夜間の咳が強い、息切れ、疲労感、汗をかきやすい、風邪を引きやすい

咳の症状が慢性化すると、身体全体が消耗してしまいます。

 

生命エネルギーの源である「腎」や食べ物を消化吸収する「脾胃」の機能も弱くなるため、「肺」の栄養や潤いも不足しがちになり症状もなかなか改善できません。

高齢者や虚弱体質の人などは、基本的な体力を養うために脾胃や腎の機能を高めることも大切です。

 

しっかりと栄養を摂ることで肺にも栄養と潤いを与え、健やかな状態に整えましょう。

このタイプは、肺・脾胃・腎を補い体を養う食材をとりましょう。

白きくらげ、はちみつ、くるみ、ゆり根、山芋、かぼちゃ、クコの実などがおすすめです。 

 

漢方薬は「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」「八仙丸(はっせんがん)」などを用います。

 

暮らしの養生

咳は繰り返しやすい症状です。一時の症状緩和だけでなく、再発しないよう体質を根本から整えることが大切です。 

 

・ストレスをためない

・睡眠を十分とる

・タバコや煙、排気ガスはなるべく避ける

・こまめな掃除でほこりやカビを除去する

・食事は野菜や大豆を積極的にとる

・塩分や糖分、油っこいもののとり過ぎない 

 

症状や体質は一人ひとり異なりますので、西山薬局でご相談ください。 

 

【この記事を書いた人】

創業明治34年 漢方薬の西山薬局

四代目 薬剤師 西條ゆみこ

 

漢方薬局に生まれ幼少期から生薬に囲まれて過ごす

大学生と中学生2児の母親

更年期障害真っ只中で漢方処方を日々研究中

新潟市の漢方薬専門店


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