月経周期によって漢方薬を飲み分ける周期調節法。
これまでに1~2周期(28~60日)の服用で妊娠された方は年齢が大きく関係しますが珍しくありません。
器質的に異常はないけれど、基礎体温にメリハリが無い方はお試しになると良いでしょう。
先日、第二子をご希望されていた新潟市のWさん36歳。
漢方薬服用後2周期で陽性反応が出たと嬉しい報告をいただきました。
35歳を過ぎており、Wさんも私も体調が整うのに数カ月はかかると考えていましたので、お互いびっくりです。
中医不妊周期調節法は
1.月経のリズムを整える
2.卵巣力を支える
3.ホルモンバランスをサポート
4.ホルモン分泌と産生をサポート
5.血行サポート
漢方生薬の力を借りて妊娠力の底上げを狙うものです。
子宝相談のお客様に、体づくりのお話は稲作を例にお話しいたします。
美味しいお米がとれるためには何が必要かということです。
栄養豊富な土壌、元気な苗、そして水や適度な日照条件など稲作の環境が整ってこそ、美味しいコシヒカリは収穫できます。
体作りも基本は同じ。
毎日コツコツと田んぼ(土壌)の手入れをするのと同じで、健康に留意して適度に運動する。
そして漢方もしっかり飲むことで実を結ぶのではないでしょうか。
不妊治療で妊娠しても出産までいたらなければ目的は達成されません。
多くの専門家が子宝に直結するのは「骨盤内の血流を改善すること」といいます。
私は植物の生育環境を整えることと同様と考えていますので、高温期の後の生理期の様子を詳しく伺うことにしています。
高温期が途中で体温下がることなく11日以上維持できても、その後の生理の状況が悪いということは子宮の中に十分な栄養と酸素の豊富な血液が供給されていないのではないでしょうか。
せっかく受精卵ができても、生育環境が整っていないということなのです。
子宝に良いお灸を毎日しましょう
子宝相談に来られるお客様からのリクエストで子宝灸をレクチャーすることがあります。
日本では古くからお腹周りにお灸をすると子宝に恵まれるといわれ実践されてきました。
特に臨床的効果の高いツボのとり方をご紹介します。
家庭で「せんねん灸」を使って簡単にできるお灸のツボです。
1.腹部
おへそを基準とし、指幅3本左右に位置するのが天枢(てんすう)。
指幅4本下がったところが臍下三寸の関元(かんげん)。
この3点を刺激すると骨盤内の血流が改善され、特に内膜症や腺筋症など酷い痛みがある方は継続することで楽になるはずです。
どす黒い経血や血塊がゴロっと出てきてやがてきれいな紅色の経血が出て、痛みが低減すれば着床の環境は整っているといえます。
不妊症ばかりか、生理不順、生理痛、肌あれ、便秘、下痢、精力減退、健康維持に有効なツボです。
2.お尻
骨盤は3つに分けられ、ちょうどお尻の割れ目からベルトのラインには「仙骨(せんこつ)」という骨があります。
お尻の割れ目の上、中央の平らなところです。
この仙骨上に八膠穴という左右対称に8つのツボがあります。
上からそれぞれツボの名前がついており、上膠(じょうりょう)、次膠(じりょう)、中膠(ちゅうりょう)、下膠(げりょう)といいます。
なかなか一般の方は、正確にツボを把握できないと思います。
しかも、お肉がほとんどついていない処で、お灸をするには少々熱いはずです。
ボクは、下着の上から使い捨てカイロを一枚、貼ることをお勧めしております。
カイロを貼ることで、ツボをすっぽりと覆うことができます。
背部に位置するツボですが、仙骨の穴を通る自律神経支配の神経は子宮や卵巣につながっております。
子宮の血流改善に特に昔から効果的ということがわかっており、不妊症、生理不順、生理痛、膀胱炎、排尿異常、痔、そしてインポテンツには抜群に効果を示すツボです。
【この記事を書いた人】
創業明治34年 漢方薬の西山薬局
代表取締役社長 西條信義(梅安先生)
不妊カウンセラー、国際中医専門員、鍼灸師
漢方薬と鍼灸の二刀流でケアしております
趣味はバイクツーリング、焚き火、珈琲