女性のための健康生活マガジン「ジネコ」にて流産についての質問をお受けしました。
質問は「2回の自然流産が初期流産したので流産しにくい体をつくりたいけど何が効果的なの?」
自然流産の発生頻度は意外に高いもので10~15%ですが、初期流産のほとんどは胎児側に原因があるものだといいます。
しかし流産を繰り返すことは体に大きな負担となります。
東洋医学では流産を「小さなお産」と古くから考えており産後と同じような養生が必要です。
まずはゆっくりと体を休ませ少なくとも半年以上インターバルをおきましょう。
今抱えているお腹や下半身の冷え、生理前の不快な症状(乳房や下腹部が張る)、生理期にレバーのような経血の塊がでるなど生理周期毎に起こる不快な症状をまずは漢方と鍼灸治療で改善していきましょう。
「乳房の張り」は妊娠前からですか?流産後からですか?
プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)が高いと思われますので断乳のときに使う「炒麦芽」を使った方が良さそうです。
流産しにくい丈夫なカラダづくりにおすすめの養生法は、漢方薬や鍼灸治療を生理周期に応じて使い分ける「不妊周期調節法」です。
月経期は古い子宮内膜をスムーズに排出させる活血薬と理気薬を使い、卵胞期は質の良い卵子と子宮内膜をつくる時期で補血薬と滋陰薬を併用します。
排卵期は気と血の巡りをスムーズにして高温期へ移行する時期で活血薬と理気薬を再び使うか鍼灸治療を行います。
黄体期は子宮を温めながら受精卵を着床・養育できる環境を整えるために補陽・補腎薬を中心に使います。
このように月経周期に合わせて漢方を使い分ける「周期調節法」は、近年高い成果が期待できる改善法として確立されています。
流産を繰り返している方には漢方薬を続けることをおすすめします。
妊娠中の胎児をしっかりと安定させるのは「腎(じん)」の役割です。
同時に飲食物をしっかり消化吸収して赤ちゃんを、養い栄養を生み出す「脾(ひ)」の力も大切です。
腎(じん)や脾(ひ)の役割を高める漢方生薬には古くから安胎・養胎薬も多くありますので、ご安心ください。
また漢方薬だけでなく日頃の食事も見直しましょう。
・なるべく旬の食材を使った手料理を中心に
・生食(刺身・生野菜・生肉)偏食は避ける
・カタカナ食(インスタント・レトルト・コンビニ・ファストフード)は避ける
・冷飲・冷食はやめる(必ず常温以上のもの)
・赤い食材と黒い食材を積極的に食べる
目のクマ、顔色の悪さ、シミ・クマ、めまい立ちくらみ、爪のもろさ、目のかすみと疲れ。
全て血液の不足した状態「肝血虚(かんけっきょ)」です。
生薬「当帰(とうき)」の入った漢方処方と、赤い食材(クコの実、レバー、ナツメ、ニンジンなど)と黒い食材(黒ゴマ、黒豆、黒きくらげ、海藻類など)を日頃から摂ることで症状は楽になります。
原始卵胞から卵胞が大きく成長し最終的に卵子が排卵されるまで120~180日かかるといわれております。
じっくり時間をかけて養生しましょう。
※この冊子を西山薬局と西山鍼灸院で無料配布しております。
【この記事を書いた人】
創業明治34年 漢方薬の西山薬局
代表取締役社長 西條信義(梅安先生)
不妊カウンセラー、国際中医専門員、鍼灸師
漢方薬と鍼灸の二刀流でケアしております
趣味はバイクツーリング、焚き火、珈琲