女性の生殖器は肛門に近いので細菌の多くが膣内に進入し繁殖しています。
体温は一定で適度な湿度があるので菌が繁殖するには適しております。
しかし、子宮頚管や膣粘膜から分泌されるラクトバシリス属という良好な乳酸菌(善玉菌)の自浄作用によって細菌の増殖は抑えられバランスを保っています。
この菌群がなんらかの原因で減少すると、カンジダ腟炎や細菌性腟炎等を発症させると考えられています。
カンジダ感染中に性交すると、精子の運動力が弱まり子宮内に進入しにくくなったり受精しにくいという説もあります。
また、どんな菌でも菌体から放出されるエンドトキシンという毒素が不妊症に関係します。
子宮の方にまで毒素が広がってくると、子宮内膜炎、卵管炎、子宮付属器炎、卵巣炎などの原因になります。
そして卵管閉塞や子宮内膜着床不全につながることもあります。
注意が必要なのは、B群溶連菌。
子宮炎の原因になり早期流産や早産、低体重児を招くことがあります。
子宮内膜の中でも、ラクトバシリス属(乳酸桿菌)は腟と同様、子宮内の常在菌として存在し子宮内の環境を良い状態に保っていることが報告されております。
一方、ラクトバシリス属(乳酸桿菌)が減少した場合は何が起きるのか?
他の菌が増殖した状態では、受精卵が着床しにくく、また着床しても流産を起こす原因となり得るとのことです。
これまでガードネラ菌や大腸菌、ウレアプラズマ、マイコプラズマなどの感染が報告されてきています。
善玉菌が減ることで妊孕性(にんようせい)が低下するなんて驚きですよね。
不妊治療の検査の一つとして今後普及するであろう「子宮内フローラ」検査。
子宮内の常在菌、善玉菌と悪玉菌、バランスをみることができます。
何故、この検査が妊孕性(にんしんしやすさ)の指標となるのか?
検査会社であるVarinos株式会社さんが作成した動画が分かりやすいので、リンクさせていただきます。
では、具体的に何をしたらよいのか?
病院からはラクトフェリン系食品やサプリメントを推奨されます。
自分でできることは
・和食中心の食事
・発酵食品を食べる
・善玉菌のエサとなる炭水化物も摂る
・適度に運動する(血流を良くする)
・睡眠をたっぷりとって熟睡中に善玉菌を育てる
人間の体重の1-3%は細菌といわれており、人はたくさんの細菌と共存し健康を保っています。
なので、乳酸菌、〇〇菌など配合された食品は多く販売されております。
いつも決まったヨーグルトを食べる人も多いと思います。
しかし、菌が生きたまま腸に届くことはほとんどありませんので、今冷蔵庫にまとめ買いしている方は、よく考えてみましょう。
ヨーグルトを食べる時は冷えたままのものは口にしないでください。
深部体温が1℃下がりますと、元に戻すまでに4~5時間かかります。
それだけ消化器へ大量に血液が供給されます。
子宮や卵巣に必要な血液まで不足しないようにしましょう。
反復着床障害、流産の経験がある方、習慣性流産は西山薬局にご相談ください。
【この記事を書いた人】
創業明治34年 漢方薬の西山薬局
代表取締役社長 西條信義(梅安先生)
不妊カウンセラー、国際中医専門員、鍼灸師
漢方薬と鍼灸の二刀流でケアしております
趣味はバイクツーリング、焚き火、珈琲