女性のとってお肌の乾燥は悩みの種です。
お化粧ののりが悪くなったり、手足が粉をふいたように白くなったり。
これから秋~冬にかけての空気は乾燥しがち。
ストーブやヒーターなどの暖房でさらに室内は乾燥します。
一般的に湿度が50%以下になると「肌がかさつく」といわれています。
空気が乾燥していると肌の水分も蒸発して肌荒れやたるみに繋がるのです。
「肌が乾燥する」ということを東洋医学的に考えると、いくつか原因がありますが多くの方に当てはまるのが「気血両虚(きけつりょうきょ)」と「津液不足(しんえきふそく)」ふたつのタイプです。
【気血不足タイプ】
単に鉄分の少なくなった貧血やエネルギー不足の状態ではなく、気と血液の持っている働きが弱くなったことも含みます。
東洋医学でいう「気」が不足すると新陳代謝が悪くなり、肌の弾力低下に。
「血」が不足すると栄養が体内に行き届かない為に血色が悪く艶がなくなります。
・こんな症状はありませんか?
めまい、立ちくらみ、疲れやすい、動悸、不眠、経血が少ない、全身の肌が乾燥、冷え性などありませんか?
・食養生
人参、クコの実、牛レバー、小豆、ナツメ、山芋、黒ゴマなど
・漢方薬
婦宝当帰膠、参茸補血丸、十全大補湯など
【津液不足タイプ】
津液(しんえき)とは血液以外のカラダに必要な水分のことをいいカラダを潤す役目を持っています。
不足すると口やのどの渇き、さらに進むと唇のひび割れや皮膚の乾燥が出てきます。
また、水分の運搬が上手くいかず津液不足を引き起こした状態を「陰虚(いんきょ)」といい、ここまでくると顔や手足のほてりなどがでてきます。
・こんな症状はありませんか?
口が乾く、目が乾く、手足や顔の火照り、便秘、唇のカサカサ、髪のパサつき、脛や肘の皮膚が硬く乾燥 など
・食養生
百合根、蓮根、梨、豆乳、手羽先、豚肉、レモン、シジミなど
・漢方薬
杞菊地黄丸、八仙丸、瀉火補腎丸など
女性ホルモン(エストロゲン)は肌の保湿にも関与
不足すると肌の乾燥に悩むことにもつながります。
40歳を過ぎると誰でも肥りやすくなり、肌の乾燥が気になります。
さらに年を重ねると代謝が低下し、血管が硬くなり、イライラが募ったり、ウツウツしたり・・・
いわゆる更年期の症状です。
原因は女性ホルモン「エストロゲン」が不足してくるからです。
エストロゲン不足になると月経周期の短縮、経血量減少、不正出血など図のような症状が出やすくなります。
更年期障害の治療法にHRT(ホルモン補充療法)があります。
加齢とともに不足するエストロゲン、プロゲステロンを補う薬物療法。
治療により一時的にホルモンは増えるので「肌質が良くなる」のです。
しかし、副作用が多く報告されておりますので、なるべく頼りたくないはずです。
老年期になるとやがてほとんど分泌されないエストロゲンですが、減少するカーブをゆるやかにするため卵巣ケアもしましょう。
卵巣にしっかり指令を出すFSH。
脳の下部で下垂体前葉、成長ホルモンと同じ場所から分泌されます。
睡眠時間が5~6時間では、卵巣は疲弊して閉経が早くなります。
寝る時間は午後10時前、実質7時間以上の睡眠をとれるように工夫しましょう。
たっぷり睡眠をとることだけでも違いますよ。
【この記事を書いた人】
創業明治34年 漢方薬の西山薬局
代表取締役社長 西條信義(梅安先生)
不妊カウンセラー、国際中医専門員、鍼灸師
漢方薬と鍼灸の二刀流でケアしております
趣味はバイクツーリング、焚き火、珈琲