新型コロナウイルス流行以降、ストレスが溜まっていませんか?
自律神経が乱れる大きな原因の1つは『ストレス』です。
なんとなく調子が悪いとき「もしかして自律神経が乱れているかも・・・」と思ったことはありませんか?
疲れやすい、なんとなくだるい、めまいがする、食欲がない、動悸がする、やる気がない、眠れない、便秘、肩こりや頭痛、集中できない・・・身体の色々なところに不調を感じたら自律神経の働きが乱れているのかも知れません。
自律神経って何?
自律神経って言葉を聞いたことはあると思いますが、どんな働きをしているかご存知ですか?
自律神経は呼吸をしたり、食べた物を消化したり、血流をコントロールしたりと生きていくうえで欠かせない機能をコントロールする神経です。
でも自律神経の働きは、自分の意志とは無関係!
好きな時に働かせたり、休ませたりということはできません。
その上、その働きはとっても繊細でデリケート。
ストレスなどの影響を受けると、すぐに乱れて上手く働かなくなってしまい体の不調となって現れてくるのです。
個々の症状で病院を受診して、検査をしても原因が見つからない場合には自律神経の乱れが隠れている可能性があります。
自律神経がいったん大きく乱れてしまうと元に戻るのに時間がかかる場合も多くあります。自律神経の乱れには、毎日の生活習慣や食生活などが大きく影響しています。
自律神経は二種類
自律神経って2つあるってご存知でしたか?
それは「交感神経」と「副交感神経」です。
「交感神経」は昼の神経とも呼ばれ、おもに日中の活発に活動するときに活躍する神経。
もう1つの「副交感神経」は、夜の神経とも呼ばれ、おもに夜の心と体をリラックスさせるときに活発になる神経。
この2つの神経が、それぞれ必要に応じてどちらかが活発になるようにスイッチが切り替わり、一方が活発になり過ぎた時にはもう一方がブレーキを掛けたりと適度なバランスをキープしています。
でも、ストレスの影響などで交感神経が過剰に興奮する状況が続いたり、疲労が重なって副交感神経が過剰に興奮すると、2つのバランスが崩れてスイッチが上手く切り替わらなくなってしまうと体が適応できず、体調不良につながってしまうのです。
これを「自律神経の乱れ」と言います。
どうして自律神経が乱れるの?
自律神経が乱れる2大原因は、精神的ストレスと肉体疲労だと言われています。
転居や転職や結婚など生活に変化があった時、仕事や育児などで忙しく一時的に生活が不規則になった時、人間関係が上手くいかないときも要注意です。
また、女性は男性に比べて自律神経のバランスが崩れやすくなっています。
なぜなら、自律神経はホルモン分泌の影響を受けやすいから。
自律神経を支配している「視床下部」は、ホルモンの分泌もコントロールしているため、どうしてもお互いに影響を受けやすくなってしまうのです。
女性は、1か月のなかでも生理周期に合わせてホルモン環境が大きく変化します。
一生を通じて、初潮・妊娠・出産・閉経と劇的な変化があります。
このホルモンの変動が、自律神経にも大きな影響を与えるのです。
また、季節の変わり目も気候がかわりやすいため要注意!
自律神経の調節が間に合わなくなり、バランスを崩しやすくなります。
自律神経が乱れやすい人の特徴
・アレルギー体質
・虚弱体質
・小児期に自家中毒をよくおこした
・めまいや立ちくらみを感じやすい
・冷え性
・乗り物に酔いやすい
・生理不順
・生理痛がひどい
これらに当てはまる人は、体の外からの影響に敏感に反応したり、ホルモンバランスの変化が大きいために体質的に自律神経が乱れやすいと考えられます。
・内向的で感情を抑えがち
・情緒が不安定で怒りっぽい
・疲れているのに頑張ってしまう
これらに当てはまる人も、性格的に精神的ストレスや疲労を抱え込んで自律神経が乱れやすくなります。
自律神経を整えるセルフケア
1.深呼吸で心身の緊張をほぐす
まずは、ゆっくりと腹式呼吸をしましょう。
自律神経が関係している器官の働きの中で、唯一自分で意識してできるのが呼吸です。
深くゆっくりと呼吸をすることで、ストレスによって過剰に興奮した交感神経を落ち着かせ、バランスを整えることが出来ます。
上半身の力が抜けて穏やかな気持ちになるまで、力を抜いてゆっくりと腹式呼吸の深呼吸を続けてみて下さい。
2.足裏のツボを刺激する
自律神経の乱れからくる肩のこりや冷え、頭痛などの症状でつらいときには全身のツボが集まっている足の裏を刺激してみましょう。
血行が良くなることで、こわばった筋肉がほぐれ症状が和らぐと同時に自律神経の緊張を和らげることにも役立ちます。
テニスボールやゴルフボールを用意し、椅子に座って足の裏でボールをゴロゴロと円を描くように転がします。
ちょっと痛いくらいの刺激がこった部分を少しずつほぐしてくれます。
3.大声を出してみる
大声を出すと体がいったん緊張し、次に緊張がほぐれるというプロセスが生まれます。
この働きを利用して自律神経をリラックスさせるのです。
ストレスで我慢できなくなったときは、心のブレーキをはずして自由に叫んでみましょう。
他の人に聞こえないように枕を顔に当てて叫んだり、『防音マイク』を使うのもおすすめです。
叫ぶ内容はなんでもOK。
大声で叫ぶことが心身のリラックスにつながります。
4.ビタミンとミネラルを摂る
バランスの良い食事が基本ですが、なかでもビタミンとミネラルの不足には要注意です。
ビタミンやミネラルが不足すると、食べ物のエネルギーを効率よく使えなかったり、ストレスに対抗するホルモンの分泌が低下して自律神経が乱れやすくなります。
特に生理で女性が失いやすい鉄は、酸素を体の隅々まで運ぶ働きを持つミネラルで不足すると疲れやすくなってしまいます。
また、日本人に不足しがちなカルシウムもストレスを和らげる働きがあるので毎日積極的にとりましょう。
5.睡眠をしっかりとる
自律神経を整えるホルモンの分泌が活発になる時間帯は、午後10時~午前2時までのあいだです。
質の良い睡眠をとって朝すっきりと目覚めるためには、午後11時には布団に入って7時間寝るのが理想です。
なかなか寝付けなくても、就寝時間になったら明かりを消して寝る態勢に入りましょう。
ゴロゴロしているだけでも体の疲れが取れますし、毎日同じ時間に寝ようとすることで睡眠のリズムを作るのに役立ちます。
また、寝る直前に食事をとると消化器が充分休めないので就寝の3時間前には済ませましょう。
6.温度に気を付けてお風呂に入る
入浴は自律神経を刺激しますが、温度や入り方によってその作用は正反対になります。
40℃より高いと交感神経を刺激し、40℃より低いと副交感神経を活発にします。
活動的になりたい朝は40~42℃くらいの熱めのシャワーを浴びるのがおすすめ。
リラックスしたい夜は38~39℃くらいのぬるめのお湯につかるといいでしょう。
特に、1日の筋肉の緊張や疲れをほぐしてくれる夜の入浴は、心と体のストレスを和らげてより眠りにつきやすくしてくれます。
7.下半身の筋肉を鍛える
体を動かす元気があるときは、ぜひ運動も生活に取り入れましょう。
意識的に交感神経を活発にすることで、運動後に平静の状態に戻るのに合わせて副交感神経が活発になり、適度なリズムがついてくるからです。
おすすめなのは、スクワットなどの日ごろからよく使う下半身の筋肉をつくるもの。
適度な運動を行うことで、筋肉や内臓が丈夫になり基礎体力がついて疲労に強くなります。
自律神経の乱れは毎日の生活が大きく影響するだけに、自分で日常生活をコントロールするセルフケアがとても大切です。
自分の意志ではコントロールできない自律神経ですが、ストレスを感じた時に緊張をほぐしたり、疲労に負けない体づくりをすることで徐々に整えることができますよ。
【この記事を書いた人】
創業明治34年 漢方薬の西山薬局
四代目 薬剤師 西條ゆみこ
漢方薬局に生まれ幼少期から生薬に囲まれて過ごす
大学生と中学生2児の母親
更年期障害真っ只中で漢方処方を日々研究中