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Vol.059 卵巣刺激と周期調節法の漢方

先日、41歳で自然妊娠されて現在14週目に入ったI様から「とても順調」とご報告をいただきました。

画像をみると、だいぶ赤ちゃんらしくなってきてますね。

手を口に運んでいる様子までわかります。

ご夫婦で写真を眺めてはホッコリとする時間が楽しいようです。

※写真掲載の許可をいただいております(無断転載禁止)

 

ボクの長男の時よりだいぶ厚くなった母子手帳を見せてもらい、時代の変化も感じました。

出産予定の来年、I様は42歳になります。

妊娠中のトラブルや、産後にスタミナ切れとならないように漢方を続けていただいております。

 

病院でも教えてもらうと思いますが、陣痛を後押しするツボのとり方などこれからもサポートさせていただきます。

 

 

 

『排卵誘発注射剤:r-FSH、u-FSH、hMG』それぞれの特長について

 

一般不妊治療(タイミング法~人工授精)が半年、一年と続いた方や初診時に35歳を過ぎていたり、AMH値が低い場合は排卵誘発剤もステップアップすることになります。

 

内服の排卵誘発剤(クロミッド、フェマーラ)で排卵が認められない場合、排卵は正常に起こっても妊娠に至らない場合、また高度生殖医療の採卵で、たくさんの卵子を得たい場合に注射剤が使われます。

 

FSHとは卵胞刺激ホルモンといい、わかりやすく言うと「卵胞の発育を促すホルモン」のことで、もともと脳の下垂体から分泌されているものです。

これを薬として使うことで、より効果の大きい「排卵誘発」をすることができます。  

 

またエストロゲン分泌が盛んになるため、子宮内膜が厚くなることも期待されます。

注射剤は従来「hMG製剤」と呼ばれてきましたが、今日では注射剤の中には「hMG」「u-FSH」「r-FSH」の3種類があります。  

 「r-FSH」は保険適応となりました。

 

r-FSH

リコンビナントとよばれる技術を用い、尿由来ではない、100%純粋なFSHの製剤で、現在国内では「フォリスチム」「ゴナールF」という薬剤のみが保険適応になっています。 

下のu-FSH製剤と比べて、若干コストがかかりますが、純粋で夾雑物がありません。

 

LH(黄体刺激ホルモン)は「LHサージ」で知られるように、排卵させるホルモンですが、r-FSHには「LH」が全く含まれないため「卵巣過剰刺激症候群」「多胎妊娠」の発生率が低下します。

 

一方で単独で使用した場合の排卵誘発効果が弱いため、「クロミッド」や「フェマーラ」と組み合わせ、より身体に優しく有効な排卵誘発を行います。

 

 

u-FSH

閉経女性の尿由来のFSH製剤で、下のhMG製剤と比べて、「LH」の含有量が極めて少ないです。

「LH」は排卵前の卵胞期に投与されると強い卵巣刺激があります。

 

u-FSHはr-FSHと同様に「卵巣過剰刺激症候群」や「多胎妊娠」の発生率を低下させます。

「クロミッド」や「フェマーラ」と組み合わせる方法は、やはりr-FSHと同様です。

 

 

hMG 

以前よりあった注射の排卵誘発剤です。

製剤によりLHの含有量が異なるため、なるべくLHの量が少ないものを用います。

 

たくさんの卵子を採卵するためには最も効果的ですが、「卵巣過剰刺激症候群」の発生に注意しなければならず、また「胚移植」を行わない、タイミング法、人工授精(AIH)では、多胎妊娠のリスクが高くなります。 

 

これら排卵誘発剤に共通するデメリットは、コンディションを崩しやすく、効かない人には効かない。

副作用はOHSS、悪心、頭痛、血栓症・・・などなど。

 

マイナスイメージばかりではなく、21世紀になり昔だったら諦めていた方も赤ちゃんを期待できるようになったのはとても嬉しいことで最先端医療のおかげなのです。

 

 

不妊治療中の漢方薬について

 

不妊治療と併用する代替医療の人気NO.1は漢方薬。

「どうしてウチに来ましたか?」って聞くと

 

「病院の治療だけでは不安だから」

「不妊治療だけで結果が出ないから」

「不妊治療で体調を崩したから」

「体質改善は病院ではできないから」

「漢方が良いって聞くから」

という声が圧倒的に多いです。

もしも、アナタが病院の不妊治療と漢方薬を併用するのであれば「周期調節法(しゅうきちょうせつほう)」も視野に入れてみてください。

 

周期調節法※(しゅうきちょうせつほう)のキホンは

補腎(ほじん):卵巣のテコ入れ

補血(ほけつ):造血を助ける

活血(かっけつ):血流を良くする

この3点セットです。

 

PMSや排卵障害のある方は疎肝解郁薬を併用、肥満・PCOS・卵管閉塞などある方は化痰薬などを併用といった具合に、抱えている症状、その方の体質に合わせて微妙に調整させていただきます。 

 

段々、採卵できる卵の数が減って気になるなら補腎(育卵)からテコ入れしましょう。

子宮内膜が厚くならないのはエストロゲン不足。

卵巣の卵胞から分泌されるホルモンを化学的に補充しても厚くならなければ、育卵から始めた方が良いです。

 

元気な卵が育てば、自分自身のホルモンがたっぷり分泌される。

結果的に着床に必要な内膜が育つのです。

 

人工的につくられたホルモンが合わないのは当然のことです。

自分のホルモンがしっかり出るように、食べ物やライフスタイルを見直して漢方を使ってみてください。

頸管粘液(オリモノ)が少ない方も基本は同じ養生法をおすすめします。

※その方の体質や現在の治療に合わせておすすめいたします

加齢とともに、エストロゲンは分泌できなくなってきます。

年齢のことを言っても仕方がないのですが、現実から逃れることはできません。 

 

35歳以降の妊娠しやすさ「妊孕性(にんようせい)」は、いかにホルモンレセプター(受容体)の感受性を良くするかに関ってきます。

 

糖鎖の多い伝統的な食事や鹿茸・亀板・鼈甲・海馬など動物性生薬を摂取する事によりホルモンレセプターの数が増えると何が良いのか? 

 

排卵誘発注射剤の効果が上がり、少量の薬剤で優位な効果が得られ身体への負担が少なくなります。 

 

継続は力なり。

コツコツ食養生と漢方薬を続けましょう。

 

病院にて治療されている患者様にこそ糖鎖(とうさ)がたっぷりの伝統食、そして抗酸化作用には大豆食品や発酵食品が一番です。 

 

ホルモン療法でカラダが火照るなら、滋陰薬系漢方薬を使うと楽になります。

 

【この記事を書いた人】

創業明治34年 漢方薬の西山薬局

代表取締役社長 西條信義(梅安先生)

 

不妊カウンセラー、国際中医専門員、鍼灸師

漢方薬と鍼灸の二刀流でケアしております

趣味はバイクツーリング、焚き火、珈琲

 

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